住まう人の趣味・嗜好や意匠心によって、私の大工技術が練達したように感じます。
う(動)線は、短く単純に。
毎日の料理、洗濯などの家事動線は、短く単純な方がラク。
「どんなに水切り工事を完全にしても、水回り部分から傷んでくるもの。1箇所にまとめると、建築費も安くすむし、生活するにおいても便利がなによりいい。」
まい仕事で長押(なげし)を入れる。
和室なら、長押は、あったほうがいい。
長押をつけると部屋がしまるし、ちょっとしたものをかけるのも便利です。
「長押のとりつけは、大工の目が利くかどうかの大切な造作の一つ。部屋の広さや材料などでどう納めるかを考えます。」
ーニング、敷地のなかに建物や庭をどのように配置するかは、十分配慮を。設計は、家族みんなの意見を。
「家は、年月をかけて住みこなすもの。家族が居心地よく楽しく暮らせ、周囲の人とも快適に暮らしたい。」
く締めておけ、床の釘
「釘は、まっすぐに打ったんじゃ抜けてしまう。堅いところに、はすかいに打っておくと、力は、倍になる。これが、釘打ちの心。」
く(陸=水平)と垂直は、厳重に。
「棟木が上がると、2階に上って、4隅の柱を力一杯、揺すってみる。ずれていると、わずかな揺れで、おかしなところがわかる。どんな複雑な形の家ももとを正せば箱形。この手に伝わる感じで、水平・垂直が分かる。」
ゅう(収)納は、使うものを使う場所に。
住まいの不満の一つに挙げられるのが収納スペース。そこで何を使うか、リストアップし、必要な収納スペースを確保していくとよいでしょう。外部収納は、外観を損なわせないようにプランに組み込んでおきたい。
また、ソファなどの家具の配置も考えておくと、照明の取り付け位置なども決めやすくなります。
「見せる収納と隠す収納を使い分け、収納が適所にあれば、家事効率もあがります。」
み上げてみせます。見事な小屋組を。
雨が多く蒸し暑い日本は、屋根の役割は大きく大事なことです。いかに夏涼しく冬暖かく過ごすかは、屋根の勾配も重要な要素です。
「外面ばかり重視して、勾配の緩くなった屋根は、暑いのはもとよりですが、水切れがうまくいかず傷みもはやく、トラブルが起きやすいデザインといえるでしょう。建物の寿命を延ばすのも施工者の仕事」
木は、いろいろな手触り、表情、特性があり、だから面白い。やっぱり木が可愛い。

木は、二度生きる。
「植物である樹木が伐採される。(♪与作は、木を伐る‥‥)しかし木材にされて再び生きる。」
木は、活かされる。
構造体、家具、建具などの障子・・せっかく長い時間かけて育った木を切って使うのですから、無駄なく上手に使い、工夫をしていきたい。
木の構造・特質
樹木は、伐採され収縮させ(含水率を下げ)用材に形を変えます。含水率を15%以下にすることにより、強度も上がります。
(切り出したばかりの木の含水率は30%以上です。15%以下になったときには、1辺120mmの柱は、約4.2mm縮みます。 家を建てる際には、15%以下の木材を用いることが定められています。)
*含水率‥‥木材が含んでいる水分量の割合です。
木材は、乾燥度が高いと強度は、安定します。工事中に雨が降り木材が濡れる場合がありますが、一時的なもので、1週間程度で水分は放散されますので、影響はありません。
木の表情
木には、取り方により柾目板目があります。
木目の流れに「こぶ」ができ、さまざまな模様が浮き出ている所を杢といい、銘木とされ珍重されます。
古い屋久杉やイチョウなどは、杢や複雑な木理が、走りとても貴重です。
人のシワは、あまり喜ばれませんが、木のシワは、とても喜ばれます。
木の取り方による用材の種類
*柾目‥‥木の中心から放射線状に取るため、木目が平行に並んでいます。反りにくく、割れにくい特徴があります。
*板目‥‥年輪と接線方向にとるため、木目が模様となって現れます。
*心材‥‥木の中心付近を取るもので、強固で含水率が低い部分です。
*四方柾‥芯の部分を避けて取ったもので、四面で年輪のわかる繊維がはっきりしている部分です。
*二方柾‥二面が柾目で、二面が板目のものです。
木のチカラ
青森のヒバの家には、2,3年は、蚊が入らないと聞いたことがあります。蚊が、入らないほど匂いがきついのではなく、ほどほどで人にも心地よいそうです。
樹木によってもいろいろな匂いがあります。
たとえば、杉ですが、日本では好まれよく使われます。比較的匂いがマイルドだからでしょうか。
酒樽、味噌樽にも使われています。
また、木材には、視覚的なリラックス効果もあるようです。
木材の色は、紫外線を反射しないので、疲労感が少ないとされています。節がある杉板の壁など、じっと見ていたいキモチになり、なんだか体になじんでくるように感じます。。。
雨の日は、湿気を入れないために窓を閉め、晴れた日は湿気を出すために窓を開ける。木材にとってもその方が、いいようで、私たちの感性と同じなのですね。


木の性質を知ることは、家を建てるための第一歩です。
用途に応じて木材を選びます
土台、柱や梁、天井など用途に応じて適した木材があります。

土台 ヒノキ、ヒバ、クリ、米ツガ
柱  ヒノキ、マキ、米ツガ
胴差し マツ

一般的には、針葉樹より広葉樹の方が重く、堅く強度的に強いといわれています。
針葉樹は、美しく加工がしやすいという特徴があります。
室内空間を間仕切る木製建具・ふすまなどの表具・木製窓

木製建具 〜室内を「しきる」
和風と洋風、引き戸と開き戸と折れ戸、障子とふすまと板戸‥‥‥。

光や風の通り方、空間の広がり方、建具の使い方によって、部屋の雰囲気は、一変します。
たとえば、格子がもたらす室内の光、障子戸の組子が映す影‥
障子に張られた和紙は、光をやわらげ、閉じたままでも、静かにその効果と役割を伝えてくれます。

このように木製建具は、室内空間のこだわりや住まう人の遊びごころをも満たしてくれることでしょう。

木製建具・障子などの意匠のバリエイションの一例
木製窓〜マーヴィン〜
木の温もりある美しい窓は、そのままインテリアの大切な一部となり、住む人の愛着にこたえてくれます。

優美なデザインに、気密・断熱・防水性など業界最高水準の機能性をプラスした、米国木製窓のリーダーブランドです。
このマーヴィンの窓は、すべてオーダーメイド。設計や工法、インテリアのイメージなどに合わせてスタイル、サイズ、オプション、ディテールをお選びいただければ、あなたの窓が仕上げられます。
その美しく機能性に優れた心地好さを、新築・リフォームを問わず、どうぞ、あなたのものに。

マーヴィンの木製窓採用の施工例